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トラック運送業の労務管理など デジタコデータ活用の話題を取り上げます。2024年4月1日適用の新しい改善基準について掘り下げた記事を連載しています。

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新改善基準の話・第15回 休息期間 その2

休息期間カウント範囲問題の続きです(前回分をお読みいただいてない方はこちらからどうぞ)。

1日の休息期間をカウントする範囲は

 A説 始業から24時間後まで

 B説 始業から24時間後の休息期間が終了するまで(24時間後が休息期間でない場合はそこまで)

どちらが正しいのか。

少なくとも新改善基準にかんする限り、結論はB説です。

今年3月31日付の「改善基準告示(令和6年4月1日適用)に関するQ&A」という文書があり、その「3-2」(リンク先PDFの26ページ)にこう書かれています。
(Q)1日の拘束時間が 15 時間の場合、休息期間について9時間を超えて与えることは可能ですか。1日の始業時刻から起算して 24 時間以内に休息期間の終点が到来する必要があるのでしょうか。
(A)休息期間について、始業時刻から起算して 24 時間以内に終了するよう与える必要はありません。(以下略)
「少なくとも新改善基準にかんする限り」と条件をつけたのは、現改善基準には上記の説明では納得しにくい点があるからです。

平成9年3月 11 日付け基発第 143 号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」(「143 号通達」)という文書の分割休息を説明する箇所(第2の3の(7)のイ、リンク先PDFの11ページ)に、次のようなくだりがあります。
休息期間は、原則として始業時刻から起算して 24 時間中に継続8時間以上与えなければならないものであるが、貨物自動車運送事業等における実態からみると、8時間以上の継続した休息期間を付与することは困難な場合もあるので、業務の必要上やむを得ない場合であって、始業時刻から起算して 24 時間中に、1回当たり継続4時間以上、合計 10 時間以上の休息期間を与える場合には、休息期間の分割を認めることとしている。(以下略)
「休息期間は、原則として始業時刻から起算して 24 時間中に継続8時間以上与えなければならないものである」とは、まさにA説です(「原則として」は、分割休息でない場合のこと)。

この点について労働局に問い合わせたところ、「この箇所は他のルール(分割休息)の説明の中に出てくるだけの文言なので拘束力はない、つまりA説の根拠にならない」という説明でした(労働局の担当者は現改善基準でもB説というスタンスでした)。
※ ここで以前は「労働基準局」と書いてましたが、「労働局」のまちがいだったので訂正しました。また、「労働基準局は現改善基準でもB説というスタンスです」と書いていましたが、局というより担当者の意見と捉えるべきだと考え、この表現も修正しました。
常識的な文章の読み方とは違うなあ、とちょっと納得いかない感は残ります。

いずれにせよ、この「143号通達」は新改善基準が適用される2024年4月1日をもって廃止されるので、新改善基準には効力がおよびません。
新改善基準での休息期間の範囲は、始業から24時間後の休息期間が終了するまで」です。

  *  *  *

以下、余談で私事を書きます。

お客様にKさんという運行管理者がいらっしゃいます。
仕事熱心で、運送業について法令を含め幅広い知識をお持ちなので、お話をさせていただくと勉強になります。
頭の回転が速いので、話が込み入ってくるとこっちは付いていくだけで精一杯なのが悔しいところですが。

前回と今回の2回にわたって取り上げた1日の休息期間をカウントする範囲の問題は、4年前にKさんとはじめてお会いしたときからの話題で、その後もときどき思い出したようにああでもないこうでもないと議論を繰り返してきました。

ことの性格上、わたしたちがいくら議論しても解決するものではないので、厚労省が Q&A に載せたことにより長年の疑問に答えが出てホッとしています。
Kさん、これからもよろしくお願いします(もしこのブログを読んでくれていたら)。

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